愛すべき、藤井。


フワッと藤井の匂いが香って、私は反射的にギュッと目を閉じた。



のに、


「…………?」

「バーカ、何期待してんだよ」

「〜〜っ/////」


ニヤッと口元に笑みを浮かべて私から離れた藤井。
かぁぁぁあっと熱くなる自分の顔。


もう、自分じゃ消化できない、どうしようもない恥ずかしさで気が狂いそう。


だって、キス……されるかと思った。


「どう?俺とのキスシーンは想像出来た?」

「っ!バッカじゃないの!!!藤井、お前やっぱりバカだよ、頭どうかしてるよ?!」

「だから、お前は好きな人にはもっと可愛いこと言えよ、暴言ばっかか!」

「すす好きな人って!自惚れないでよ。もう好きじゃないかもしれないじゃん!1回告られたからって、いつまでも自分を好きでいてくれると思ってたら大間違いだからね?」



恥ずかしさが私をいつもに増してよく喋らせる。口の中はパッサパサで、なんか無性に炭酸が飲みたい気分。


「言いたいことはそれくらいか?」


私が必死に話してるのを見て、尚も余裕げに笑う藤井が憎い。私ばっかドキドキして頭はげそう。嫌んなる。


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