愛すべき、藤井。


ブゥッと膨れながら、軽く藤井を睨めば「ぶはっ」とさらに楽しそうに笑われる始末。

ムカつく、ムカつくムカつくムカつく。
じゃがいも食っとけよ。

もしかして、藤井の中でじゃがいもにも負けてんじゃないの?私。


もーー!!!


「絶対 藤井よりかっこよくて優しくて男前〜〜な人見つけて、私は藤井より幸せにな」



───グイッ



「!?」





───チュッ



「え…………」

「立花はダメだから」

「……なに、何が?え、待って」

「神田もダメ」

「さっきから……何言ってんの、藤井」


不意打ちのキスに、頭がついていかない私は、藤井が何を言ってるのか理解することが出来ないまま立ち尽くす。


てか、何でそんな平然と話してんのこいつ?今のキスは何?え?


「自分でもよく分かんねぇ」


はぁ???よく分かんねぇでキスされる身にもなれよ。後先考えてよ。

ほんっと、後でライダーキックお見舞いしてやるから!絶対してやるから!!


なんて、思ってた私は「でも」と言う藤井の声に再び藤井を見上げた。



「ちょっと、ツボだった」

「は?」

「恥ずかしがりながら涙目で見上げてくんのは反則じゃね?俺、完全に理性飛んだ」

「ふ、藤井に理性なんて初めからないでしょ!ふざけんな!」

「まぁ、でもこれで分かったじゃん?俺が夏乃相手にも欲情するって」

「こんの…………エロ猿」


藤井こら!!!お前誰でもいいんじゃん返せ!!!



私のファーストキスを返せ!!!!!
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