愛すべき、藤井。


「俺がチャラいから心配なわけ?」

「そうだっつってんだろ」


でも、おかしくない?
少なくともこの2人は、中学からずっと定期的に連絡取り合ってたってことでしょ?


合コンだって、立花くんに誘われたって言ってたし。


……なのに、いつからこんなに藤井と立花くんは仲悪くなったんだっけ?合コンの日は、あんなに3人で盛り上がったのに。


デコチューされた場所を抑えたままの私は、



「なら、本気ならお前なんも言わねぇんだ?」


「……は?」




───ドクンッ



立花くんの言葉に、軽く鳥肌が立つ。
だって、ね?


「冗談キツイって!立花くん。ないないないない!本気とか本当にやだ!無理!」


無理でしょ。立花くんが私に本気とか言い出したら丁重にお断りするって。


「だとよ、立花くん」


ブッと吹き出した藤井が立花くんへと声をかければ、少し間を空けて立花くんが呟く。


「…………夏乃、お前あとで覚えとけよ?」

「ヒッ!!」


一切笑顔を崩さずに私を見つめる立花くんが、これほどまでに怖いなんて知らなかったよ。
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