愛すべき、藤井。
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あれから立花くんから逃げるように家の中に入った私は、自分の部屋に入ってすぐ、制服のままベッドにダイブした。
立花くんと藤井……そして、私。
なんとも謎なメンツで帰ってきたなぁ……なんて天井を見つめながらぼんやり考えて、
「藤井……」
ボソッと零れる、愛すべきアホの名前。
【伊藤】も反対にすれば【藤伊】だなーとか。逆に【藤井】も反対にすれば【井藤】だなーとか。
ほんっとくだらないことばっか考えてるうちに、ウトウトと睡魔に襲われてまどろみ始める。
少しだけ目を閉じて、自分に休息を与えよう。ほら、ここんところシンデレラ役のせいで、変に緊張して身体ガッチガチだったから。
リラックス……リラックス…………。
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───ブブッブブッブブッ
ぼんやりする意識の中、スマホのバイブが鳴っている気がして重いまぶたを開けた。