愛すべき、藤井。


「言っとくけど、夏乃は今から俺たちと焼きそば買いに行くんだからな?立花は1人で回れよな」


「おっと、俺もしかして敵視されてる?こえー。でも彼女と回るの普通じゃね?」


「お前らの関係は普通じゃねぇ!今日は帰りも俺が送って帰るし」


「藤井さ、分かりやすい嫉妬は自覚してからにしてもらえますか」


立花くんの言葉に「はぁ?」と眉間にシワを寄せた藤井は立花くんの言葉を1つも理解していない。


これだから藤井は!


……って、言ってやりたいのは山々だけど、実は私も何一つ理解出来ていなかったりする。


もっと言えば『今日は帰りも俺が送って帰るし』のくだりからフリーズしてしまっている。



『消毒』



ふと思い出した藤井の言葉に、ボッと火がついたみたいに体が火照る。きっと、顔も真っ赤だ。



「ま、いいけどさ。今日はちょうどこの後用事あって夏乃のこと送ってやれないから、藤井に頼もうと思ってたし。俺の夏乃をよろしくね、藤井」


「お前のじゃねぇだろ!!一々腹立たしいなお前は」


立花くんって基本そう言うノリじゃんか。
一々突っ込んでたらHPいくらあっても足りねぇよ、藤井。


私なんか、最近は何言われても流しちゃう。


イエス、ハイパースルー!!!
これぞ、ハイパースルー!!!
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