愛すべき、藤井。
自信はいいけど、過信はだめだよ?と言うのが私の立花くんに対する口癖になってしまった。
「このマフラーやっぱり可愛い」
自分の首に巻いてあるマフラーを軽くイジリながら、買ってよかったな〜とニヤける。
1人の帰り道は、色んなことを考えるから嫌いだったけど、今日は楽しい気分で帰ろう!と意気込んで
いつもなら通らない小道を曲がってみたり、いつもなら入らないお店に入ってみたり。
いつもなら何とも思わない空を撮ってみたり、道行く人について考えたり。(勝手にカップルの会話を妄想したり)
……少し、藤井から離れられたような気がして、たまにはこんな放課後の過ごし方もありだなって、清々しい気持ちでいっぱいだ。
「あ、」
道路を挟んで向こう側の通りに、可愛らしい雑貨屋さんを見つけて思わず声を上げた。
ちょうど古文のノートが無くなりそうだし、ついでに何か見ていこうかな〜と、軽い気持ちで道路を渡れば、
思ったよりファンシーな外観に、胸がワクワクと躍るのが分かった。