愛すべき、藤井。
ギクシャクしたいわけじゃないけどさ、なんかうめが言うみたいに、本当にいつまで経っても私たちってこのままなのかもしれないって

……思ってきたよ、藤井。


でも、私の好きなものを何気なく知ってる辺り、結構キュンポイントだよ藤井。


「で、行くのか、行かねぇのかどっちだ」

「行きます!」

「だよな、食い意地だけは誰よりも張ってるからな」

「やかましいわ」


だって、好きだもん。
クロワッサン、大好きだもん。


……それに、藤井と一緒にいられるんなら、私としては一石二鳥って言うか、棚からぼたもちって言うか。


今、私の心はウキウキだよ。


放課後ゲーセン行ったり、カラオケ行ったり、ボーリングしたり、映画観たり。


言っちゃえば、藤井を好きだって自覚する前も、自覚した今も、藤井とは色んな場所に遊びに行く。


みんなと行くこともあれば、放課後ブラっと2人で行くことも多くて、この関係に慣れてしまってる自分がいるのも嘘じゃないけど。


でも、テスト明けの気晴らし〜〜!とかじゃなく、しかも藤井の親戚のパン屋さんに、もっと言えば藤井から誘ってくれたってことが、こんなにも嬉しい事だなんて思ってもみなかった。

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