愛すべき、藤井。
でもさ、みんな変わり者ばっかりでさ。
私を好きってよりは、シンデレラが好きって言うか。
なんて言うかさ〜。
「『俺のシンデレラになってくれ』とか。『僕があなたのガラスの靴になります』とか。あんな告白、告白とは思いたくないよ、泣けてくる」
「…………ブッッ!!!クッ、アハハハ!!!何それ!聞いてないよ、そんな告白名台詞集!」
「ちょっと、うめ〜!バカにしてるでしょ!私だって毎度毎度びっくりしてるんだから。もう5人くらいに呼び出されたけど、なんでどいつもこいつも、変なセリフで告ってくるわけ?」
セリフだけならまだしも、みんな見た目にも一癖も二癖もあるメンズばっかで……。
とてもじゃないけど、付き合えそうになかった。
「あー、だめ、お腹痛い死にそうっ!ブッ、ククク」
「はぁ……良さげな人だったら付き合ってみてもいいかなぁって思ってたのにな、って……いだ!」
ため息混じりに発した私の言葉を聞いた藤井が、勢いよく私の頭を小突くから、私は小突かれた頭を擦りながら藤井を見上げる。
「……んな良く知りもしねぇ男と付き合うとか、普通に考えてナシだろ」
「なんで?付き合ってみたら、すごーくいい人かもしれないじゃん」
ね?とうめに振れば、うめもコクコクと頷いた。ほれみたことか!そんなの、頭の硬い古い人間の言うことだよ?藤井くん。