愛すべき、藤井。
確かに、私は藤井とギクシャクしなかったことを喜んでる部分もあるけど、だからって吹っ切れてるわけでもないし。
藤井に少しでも可愛くなった私を見て欲しくて日々、メイクもヘアアレンジも頑張ってるってのに。
藤井様は楽しく合コンですか。
いいご身分ですね。
でも立花くんに誘われて……とか、悲惨すぎる。立花くんってクラスの中でもかなり人気の美男子だったじゃん。
チャラかったけど。
そりゃもうチャラかったけども。
そんな美男子の中に藤井……って、女子が流れて来ないんじゃないの?ねぇ、やめとけば?
あ、でも美男子立花くん効果で女子勢はかなりの美女揃いだったりする?するわけ?
あぁ、だめだ。
鼻の下伸ばしてヘラヘラ笑う藤井が浮かんで、憎たらしさと悔しさで怒りが収まらない。
「まーた、あんたは何つー顔してんのさ」
「……うめ!藤井の野郎、明日合コンに行くって」
「へぇ。そう」
10分休みの今、トイレから戻ってきたうめは全くもってこの話題に興味がないらしい。親友のピンチに、そこまでわかりやすく興味を示さないのって、あんただけじゃないの、うめ。
「立花くんたちに誘われたんだと。私の告白を大爆笑してくれた翌週には合コンとか……もう、かなりのダメージだわ」
少しは私のことで悩む素振りくらい見せて欲しかったのに。まさか、悩むどころか大爆笑だもんな。