愛すべき、藤井。
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あれからすぐに自己紹介で仕切り直しが行われ、とりあえずは合コンっぽさを取り戻したけれどら席が遠いのも災いして、全然 藤井の邪魔が出来ない。
しかも、両手に花で意外に藤井モテてるっぽいんだよな、これが。
確かに、藤井ってバカだけど、お調子者で気さくで……だから取っ付きやすいし、話してると退屈しないし。
イケメンってわけじゃないけど、よーく見ると可愛い顔してるしさ。
何よりイイヤツなんだよなぁ。
藤井と話せばすぐに藤井の人の良さに触れるだろう。この先……藤井を好きになる子がきっと出てくる。ううん、実はもういるかもしれない。そう思うと焦りばかりが募る。
楽しそうに鼻の下伸ばしやがって。
こっちの気も知らないで!!!
考えてみれば私って自ら戦場に特攻してきたようなもんじゃん?アホくさい、アホくさいぞ夏乃。
いや、藤井と一緒にバカやってる時点でレベルは同じだって薄々気づいてたよ、ほっとけ。(自暴自棄)
「ぶっ、黙って見てても阻止出来ねえんじゃねーの?」
「っ、わ、分かってるけど……って!そんなことまで話したの?うめのやつ〜!!」
ソファの一番端っこに座る私の左隣はもちろん、誰もいなくて、すぐそこに入口のドアがある。
そしてなぜか右隣には立花くん。あの後、立花くんはストンと当たり前みたいな顔して私の隣に座った。まぁ、後から来たし、みんなある程度 固まってたからだろうけど、
隣にこんなガンガンのイケメンがいるとちょっと挙動不審になってしまう。
イケメン見慣れてなさ過ぎだろ、私。