愛すべき、藤井。


「ごめんごめん!冗談だから!!」

「分かってるつーの、俺のも冗談だし?」

「そ、そんな顔で冗談言わないでくれる?本気にしか見えないから」


ま、何はともあれ藤井の合コン阻止は軽く失敗したかもしれないけど、立花くんと話してたおかげでボッチも免れて、助かった。


……立花くんを独り占めしてる感があるから、女子勢には申し訳ないけれど、立花くんが他に行かないことに、実はホッとしてたりする。


「なぁ、伊藤」

「ん?」

「今度さ」


─────ドカッ



「わっ、!?」

「寄れ」


立花くんの言葉に耳を傾けていた私は、突然 私と立花くんの間に割り込むようにして、私の隣に座った藤井に戸惑いを隠せずにいる。


「よ、寄れって、私もう半分ケツ落ちてるから」

「ならそのまま落ちちまえ」

「はぁ?」


やっぱり、ムカつくやつだ。
なのに隣に来てくれたことが嬉しくて仕方ない私って本当にどうかしちゃってるのかもしれない。

藤井の匂いがして、悔しいくらい、ときめく。

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