愛すべき、藤井。
「俺が送るって言って断ってくんのお前くらいだわ」
「は?何その自意識発言やめて怖い」
「自意識っつーか、本当の話だから仕方ねぇだろ」
───グイッ
ククッと笑いながら、軽く私の手首を引いて自分へと引き寄せた立花くんの顔は、やっぱり驚く程に整っていて、
ドキドキと、規則正しく高鳴る私の心臓は素直意外の何ものでもない。
え、何なのこれ。
やっぱり、『1番可愛い』ってやつ、あれ本気だったとか?実は結構 私に気があるとか?
なんなら中学の頃から実は私のこと好きで、やっと再会できてこれからアタック希望とか?
……色んなパターンを予想しては、心の中でいやないない!と否定を繰り返す。
そうだ、立花くんはチャラ男だった。
見た目も、中身もチャラチャラな、チャラボーイだった。
「あのね、私別にイケメンが好きなわけじゃないから」
「は?」
「顔がよければいいわけじゃないから、立花くんは確かにカッコイイと思うけど、全然タイプじゃないってこと」
「……ブッ」
え、ちょ。
何で笑ってんの、まじ謎。
こっちは割とガチだったんですけど。