愛すべき、藤井。
ほんとムカつくね、藤井。
「藤井さ、」
元はと言えば、私が今日合コンなんかに参加したのは藤井の収穫をゼロにするためだから!
目的達成なんだからね、私。
もっと言えば、あんな知らないぶっりぶりの女の中に、1人場違いなサッバサバ女がいるカオスな状況に耐えたのだって、
聞きたくもない全然メジャーじゃない謎のアニソンに耳栓なしで耐えたのだって、
全部全部 藤井が好きだからだっつーの。
分かってない。
本当に腹立つくらい分かってないよ、藤井。
「あ?」
「無神経だよ。そう言うところ」
「は?どう言うところだよ」
私の言葉があんまりにも予想外だったのか、チャリを押すのをやめてその場に立ち止まって私へと向き直る藤井に、私も同じく足を止めて藤井に向き直った。
「私の気持ち知ってて、立花くんと付き合えば?とか、完全に無神経でしょ」
怒りに任せて普段なら絶対言わないようなことを口走る。
「は?何だよ、夏乃の気持ちって」
そんな私の言葉にも、藤井はやっぱり相変わらずな反応しか返してくれなくてイライラは最高潮、