愛すべき、藤井。
「ねぇ、それ本当に何なの?とぼけてんの?それとも何、あの告白は藤井の中で無かったことになってんの?」
ふざけんな。
こっちがどんな思いで、どんだけ勇気出して伝えたと思ってんのよ。
並大抵のことなら笑ってギャグにしてくれて構わない。だけど、告白までギャグにしないでよ。
……ちょっとは、悩んでよ。
「だから、お前はさっきから何の話してんだよ」
「先週の告白……」
「告白?」
「私が藤井にした、正真正銘本気の告白!!藤井が腹抱えて笑った、私の決死の告白!!」
…………。
半分泣き叫ぶみたいにして、どうしたらいいのか分かんないモヤモヤを全部 藤井に吐き出した。
「中途半端に流すくらいなら、振ってくれた方がよっぽどスッキリするの!宙ぶらりんが1番キツイの!藤井のバカ」
目を見開く藤井の顔を、見ていられなくて俯く。
言ってしまった。
言ってしまった言葉たちはもう、二度とプレイバック出来ない。