愛すべき、藤井。
「あづ〜〜」
待ってたって仕方ないと、歩き出した私の足は既に鉛のように重い。
ドキドキしながら藤井の迎えを待ってた時間が、何だかヤケにバカ臭く感じて、1人で「ふっ」と笑いすらこぼれてしまう。
学校までは歩いて20分くらいで、チャリで行けばすぐ着くけれど、歩くとなると何とも長い。そして暑い。
もしかして、金曜日に言われた藤井からの『ごめん』は、私たちの関係に終止符を打つものだったの?もう友達にも戻れない?
……そりゃないぜ、藤井。(再び)
もう朝から泣きたくなってきた。
きっと学校にはもう間に合わないし、遅刻だ!遅刻!
カバンから携帯を取り出して電話帳を呼び出した私は迷わず発信ボタンを押す。
もうやだよ〜。
もう、土日に寝溜めした体力と気力が底尽きた。起きてからまだ3時間も経ってないのに。
───プルルルル
耳に当てた携帯から呼び出し中の機械音が聞こえて来る。
そして、
『はいはーい、おはよーさん。どした?』
「うめ〜〜〜!!!」
『は?朝から鬱陶しいな、なによ?』
今の私は、うめのその冷たい言葉にすら心救われる勢いだよ。
「遅刻〜!間に合わない!先生来たら、トイレ行ってることにして!頼む!」
『はぁ?だって藤井はいるよ?なに、どゆこと?』
うめの言葉に、再び心がずっしり重くなる。やっぱ藤井の野郎1人で登校しやがったのか。