愛すべき、藤井。


幸い、教室に藤井と神田くんの姿はなくて、きっと自販機にでも行ったんだろうな〜と、いつもの2人を想像して自己完結させた私は、ポツリポツリとうめに話し始める。


「金曜日の合コンの帰りに、私ついに爆発して藤井に色々言っちゃってさ〜」

「色々?」

「この間の告白、あれ藤井の野郎ジョークだと思ってやがってさ〜。藤井に『無神経』って言っちゃった」


机に項垂れながら、ハァと深くため息をついた私に、うめは平然としている。


「本当のことだもん、別にいいんじゃない?」

「それだけじゃないの。藤井のことが冗談じゃなくて本気で好きだって伝えたら、藤井固まっちゃってさ」

「へぇ、知らないところで色々あったのね〜」

「挙句、『ごめん』って。藤井が、私の頭に無駄にポンポンしながら『ごめん』って」


……言ったんだよなぁ。


「藤井、ふざけてんの?」

「やっぱ、うめもそう思う?」

「そういうことしていいのは、2次元のイケメンか、2.5次元のイケメン芸能人だけだから」


……そこかよ。
うめ、そこじゃねぇよ!!!


頭ポンポンに重点おいてんじゃねぇよ。
私が言ってるのは『ごめん』の方だから!!

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