愛すべき、藤井。
「ねぇ藤井!思ってたんだけどここ最近、口うるさくない?」
「お前が危機感ねぇからだろーが!」
「何に対する危機感よ?」
……何って、
それは、ほら。
……なんだろう?
確かに、言われてみれば何に俺は危機感を感じてるんだ?
「別にいいよ、パンツくらい」
「は?」
「減るもんじゃないし」
「……親が泣くぞ、ほんと」
俺の言葉に「ふはっ」と軽く吹き出した夏乃は、「お父さんみたいだね、藤井」なんて楽しそうに笑うけど、俺 もし娘が生まれて高校生になって、チャリでパンチラとかしてたら絶対嫌だぞ?
『減るもんじゃないし』とか言ってたら、親として涙チョチョ切れるぞ?
今までもずっとそうだったんだろうけど、ココ最近やけに夏乃の女子からぬ発言が気になって仕方ない。もっとちゃんとしろよ!って思う俺は
もしかしたら、
母性に溢れてるのかもしれない。
「ねぇ、藤井」
「ん?」
「私のこと心配してくれてるの?」
「……心配って言うか、もっとちゃんとしろよ!って。一応女なんだからさ」