宙、優しい君は.


部活が終わり、学校の校門を出ようとした時に

「涙先輩!」と誰かに呼び止められた。

振り返ると、香澄ちゃんがこちらに向かって走ってくる。

「どうしたの?」

私は香澄ちゃんに尋ねると、

「あの、涙先輩って優と仲良いんですか?」

その途端、質問の内容、香澄が春咲を名前呼びしたことに驚いたが、

「なんで?」


と返した。
すると、さらに驚きの返答が返ってきた。

「私、優の事が好きなんです…
だから、もし良かったら先輩に協力して貰いたくて…」


私は無理矢理笑顔をつくり

「私に出来ることがあったらなんでも言ってね。
協力出来ることはするから。」


と答え、その場を去った。


帰り道の中で香澄が春咲に想いを寄せていたことや、名前呼びをする関係だということ、全てに対してため息が出た。

同学年の方が良いのかな…

そこでふと、年齢の差を感じさらに落ち込んでしまった。
そのまま家に帰り、現在に至る。

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