宙、優しい君は.


「遅れてごめんね~」

璃子が申し訳なさそうにつぶやく。

「大丈夫だよ」

私は笑ってそう言った。

「じゃあ、中入ろっか。」

門をくぐり50段の階段を登るとさすがに璃子も息切れをしていた。
だが、その先に広がるのはたくさんの屋台。


「涙!りんご飴あるよ!」

璃子も興奮して早く買いに行こう!と、手招きをしている。

りんご飴の屋台の前には長蛇の列があった。
その最後尾に並び、順番が来るのを待った。


璃子と話しながら待っていると
後ろで聞き覚えのある、あの声が聞こえた。

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