宙、優しい君は.
声の主はわかっている。
だけど振り向いてはいけないような気がした。
そう思った瞬間、
「先輩、、こんばんわ」
と、その声の主が私に反応した。
私は勇気を振り絞って振り返った。
声の主────春咲は私のことを見つめたまま、笑顔で
「祭り、来てたんだな」
と言った。
あの時、私はどんな顔をしていたのだろう。
きっと真っ赤になっていたのだろうか。
「こんばんわ、春咲も来てたんだね」
そんなぎこちない返答しかできなかった。
すると、そんな私たちの間に割って入るようにしてある人物が入ってきた。