宙、優しい君は.
その途端、カサカサっと葉の揺れる音がした。
私はびっくりして固まってしまった。
その音は次第に近づいてくる。
私は怖くなってしまったが全く動けない。
すると、「涙」と声がした。
その人物が顔を表すと私は安心、そして切なくなった。
「春咲ぃ…」
私は若干涙声混じりの声で春咲の名前を呼んだ。
「なんで泣いてるの?」
「ちが、違う、泣いてない…」
私はそう言って春咲を見つめた。
暗闇のせいで良く分からなかったけど春咲の顔は下を向いていた。
「なんか、怒ってる?」
今までの沈黙を乱すように、春咲が言った。