宙、優しい君は.
「どうしたの!?」
と聞くと、その女の子────香澄ちゃんは、思わぬことを口に出した。
「すいません、、、
実は、優に振られちゃって…」
私はしばらく硬直してしまった。
(香澄ちゃんが春咲に告った…?)
ただでさえ、好きという気持ちだけでも大きなショックだったのに告白なんて…でも、、、
振られた?
「えっと…大丈夫?」
「はい、なんか、すいません!」
そう言うと香澄ちゃんはその場を走り去って行ってしまった。
私はただ、ただ、呆然として人混みの中に埋もれた。