宙、優しい君は.
「森田、ここの高校なの?」
「そうだよ、春咲全然変わらないねー…」
「どういう意味だよー てか、バドミントン部?」
「うん、春咲もバド部だよね?名簿見た」
「そう、バド部。てことは、森田先輩か!」
「なんか、前に戻ったみたいで新鮮。春咲、荷物置いてきなよ。」
「わかった、またあとで」
そんな会話を終えたところでまた、私は1人で春咲が自分のことを覚えていてくれた、という嬉しさに胸が高鳴った。
それと同時に、今日すれ違いざまに
「あ、」
という声を漏らしたのは、今思えば春咲なのだと、そう思った。