宙、優しい君は.
この学校の構造は 低棟と高棟 に分かれていて、1.2年生は高棟、3年生は低棟だ。
だから、階段を降りる途中に1年生の教室の近くを通る。
あと1回降りれば下駄箱…というところで私はいちばん見たい、いちばん見たくない人を見つけてしまった。
「あ、森田先輩、こんにちは」
「こんにちは。掃除?」
「そうなんだよなー、階段掃除はだるいです(笑)」
「ははっ まぁ、頑張ってね」
「はい!で、少し部活遅れていきます」
了解、そう言って私は通り過ぎたが…
うまく笑えただろうか、変な態度にならなかったか、そればっかり気にしてどうしようも無かった。
まさか、春咲に会うなんて…