宙、優しい君は.
今から春咲の元に戻るのは辛い。
私はベンチがある中庭に行った。
この高校の中庭はまだ新しく、結構人気だ。
今の時間帯は誰も人がいなかったので絶好のタイミングだった。
1度座り落ち着くとまだ自然と涙が出てきた。
(何で、いきなりあんなの…)
「春咲…、ふざけんなよ…」
私は涙声でそう呟いた。すると
「森田、やっと見つけた。」
「春咲!」
「さっきは、なんかごめんな。あ、ちゃんとここまでは歩いてきたから!走ってないよ」
すると春咲はベンチに座っている私の隣に腰を下ろした。