宙、優しい君は.
「あの、さ… イップスって分かったのになんでバド部に入ったの?先生は、なんで許してくれたの?」
「…担任にはこのこと言ってない。今日、顧問には言うつもりだった。でも、そんなんで辞めろとか言われたらどうしよ(笑)」
ちょっと笑いながらいう春咲を私は真剣に見つめた。
すると、春咲も少し真剣な表情になって
「俺、追いかけてる先輩がいてさ。だから、この部活に入った。」
「追いかけてる先輩?」
「うん、そう」
「誰?」
「さぁー誰でしょ。 てか、今の理由聞いて何も思わなかった?」
「春咲はリアクションとってもらいたかった?そういう訳じゃないでしょ。どんな理由であろうともう入ったんだから立派な私の仲間。その仲間の入部理由に対して笑ったり怒ったりはしないよ。」
「そっか、ありがとな。」
「ところで、これから部活はできないんじゃないの?」
「それは────」