宙、優しい君は.

「るーい!」

「あ、璃子!どうしたの?」


私のクラスのドアから璃子が覗いている。

「あのさ、職員室に用事があるんだけどついてきてくれない?」


いいよ、と軽く返事をして私は璃子の方に向かう。

職員室へ向かう途中では1年生のフロアを通る。
別に、そんな下心があってついてきたわけじゃないけど…


案の定、数人の後輩から挨拶をされた。
すると、少し遠くに…


「あ、和斗!」

「璃子先輩!」

落田君だ。

「あれ、璃子先輩と涙先輩って知り合いなんですか?」

「うん!去年同じクラスだったの!」

璃子がそう答える。


「じゃあ、また後で。涙先輩。」


そう落田君が言うと、私は軽く会釈をし璃子とその場を去った。

< 55 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop