宙、優しい君は.
「るーい!」
「あ、璃子!どうしたの?」
私のクラスのドアから璃子が覗いている。
「あのさ、職員室に用事があるんだけどついてきてくれない?」
いいよ、と軽く返事をして私は璃子の方に向かう。
職員室へ向かう途中では1年生のフロアを通る。
別に、そんな下心があってついてきたわけじゃないけど…
案の定、数人の後輩から挨拶をされた。
すると、少し遠くに…
「あ、和斗!」
「璃子先輩!」
落田君だ。
「あれ、璃子先輩と涙先輩って知り合いなんですか?」
「うん!去年同じクラスだったの!」
璃子がそう答える。
「じゃあ、また後で。涙先輩。」
そう落田君が言うと、私は軽く会釈をし璃子とその場を去った。