宙、優しい君は.
「涙、どうしたの?」
「…柚奈さ、1年生にどんなメニューやらせた?」
「?あ、ああ、筋トレのことか!
だってちゃんとやってないんだも~ん」
その態度にますます呆れた。
「自分は春咲だけ呼び出しておいて楽しく笑いあっておしゃべり。他の1年生にはあんな顔が真っ赤になるまで筋トレをやらせる…」
柚奈は、少し躊躇(ためら)った顔を見せた。
「それでも学年代表?」
精一杯の思いを込めて言ったつもりだ。
私はその場から離れ、1年生の方へと向かった。