宙、優しい君は.
言いたい、言えない 距離

放課後の刹那


私は横になっている人のそばに近寄り、そっと

「春咲、中に入ろう。」


とつぶやいた。

春咲は、タオルを顔にかけ、リュックを枕替わりにしている。
すると春咲がこう答えた。


「涙…俺、疲れちゃったよ」


なんだかとても可愛い。そしてとても、、、


胸がきゅうっとなる。


「ほーら、今は部活中なんだから中に入りますよ~」


私がそう言って自分の荷物を取りに行こうとその場をたった瞬間、

手首に暖かいものが触れた。

「待って。」

春咲が横になりながら私の手首を掴んでいたのだ。

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