宙、優しい君は.
「な、何…?」
あまりにも突然過ぎて私は動転してしまった。
「こ、これはどういう意味で…!?」
しばらくの沈黙の末、春咲がこう言った。
「今日、病院行ったんだろ?結果は?」
打てないまま────なんて言いたくない。
だけど、春咲には嘘をつきたくない。
そんな事を考えていると顔がこわばってしまい、目頭が熱くなった。
「涙…。」
「春咲、あのね、打てなかった!まだ、ダメだった。
でも、何も気にしなくていいよ。春咲には関係ないから。」
そう言って切り抜けようと思ったが、手首を掴む力はますます強くなって言ってる。
「強がんなよ、俺の前では素を出していいから。
」