宙、優しい君は.
その言葉にまた、心を動かされた。
「お前のこと、先輩なんて言う目で見たくない。
だって…俺は、涙が…」
春咲がとても真剣な声で私の名前を呼ぶ。
だけど、このままこの渦に巻き込まれてしまったら…
「春咲、体育館の中に入りなさい。先輩の言うことを聞いて。」
「涙…」
「春咲!先輩の言うことを聞いて!」
初めて後輩に怒鳴ってしまった。
しかも春咲に。
やや足早にその場を去った。目が熱くなる。
春咲が何を言おうとしたのか、何となくわかる。
だけど、それを受け入れてしまえば…
きっと、もう────