宙、優しい君は.

「じゃあね、」

と、軽く会釈をし私は店の外で出た。
外では春咲が待っていた。


「ごめんね、遅くなって」

「平気だよー」

「あ、お会計。今渡すよ」

「いや、いいよ。元はといえば俺から誘ったんだし、なんか落田とかも来ちゃって色々あったし…」

「悪いよ…」

「大丈夫!じゃ、今日はありがとう!
俺、すごい楽しかった!またな!」

そう言って手を振る春咲に私は

【帰りたくない】

という衝動が働き、思わず春咲の手を掴んで

「帰らないで。」

と言ってしまった。
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