宙、優しい君は.
会えた瞬間、夢
「一緒に!?え、全然良いよ!」
私は思わず頷きながら言ってしまった。
春咲は笑って頷くと 私とは反対方向にある自販機に向かって進み、ジュースを買うと
「はい、これ」
と言って渡してきた。
「え、悪いよ、昨日も出してもらってるのに」
「俺が涙にあげたいの!」
春咲がそう言うもんだから、私は照れながらもありがとう、と呟いた。
一緒に帰っている途中、春咲は自転車から降りて私のペースに合わせてくれた
私は思い切って春咲に聞いてみた。
「春咲って、彼女いた事あるの?」
春咲は少し止まって私の方を見ると
一瞬切ない表情をして言った。
「いたよ」