宙、優しい君は.
「そっか…」
私はちょっとモヤモヤした。
いくら今は彼女が付き合っても、もう、初めてのチャンスはないんだ…
私が落ち込んだ表情をしていたらしく、春咲は
「んーじゃあ、楽しい話をしない?」
と言ってきた。
うん、と頷くと
「俺にはですね、バドミントン部に入った理由として憧れている先輩がいたから入ったのです。」
「はい、知ってます」
「その先輩は、中学校の頃もバドミントン部で最後の夏の大会に部活の事情で出られませんでした。」
「は、はい」
「その先輩の行く高校を受けて、先輩のバドミントンやってるところ見たいな、からはじまって」
「はい」
「でも、先輩は また打てる環境じゃなかった。」
「うん」
「だから俺、先輩の分も強くなるって決めたんです。」
「そっか」
「で、その先輩と言うのが、、、涙です!」