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タイトル未編集
「あああああ!!もうっ!!!!なんで起こしてくれないかなああ!!!」
「何度も起こしたのに茜起きないんだもん。」
「じゃあもっと激しく起こして!!!!あああ!アイラインはみ出した!!!」
「もう!朝からうるさい!メイクしてる暇あったら早く学校行ってきなさい!!!」
今日は入学式。と言っても私が入学するんじゃなくて後輩が入ってくる大切な大切な日。そんな大切な日に私は寝坊してしまった。よりによって入学式の準備の当番に当たってしまった私は休日に学校に行かなきゃ行けないはめになってしまったのだ。
「よし終わり!!!」
私は鏡を見て頷いた。私は関係ないとはいえ入学式だもん。ちょっとくらい可愛くしたいよね??あ!こうしちゃいられない!!
「行ってきます!!!」
そう言って私はカバンを持って家を駆け出した。
私の家から学校までは自転車で20分弱。バスでも行けるんだけど、朝混むのが嫌で私は自転車で通っている。
「こんなんじゃ行けないよね、、、」
私は家の前に置いてある自転車を見てため息をついた。よりによって私の自転車はこの間壊れてしまったのだ。
「もう走っていくしかないか、、」
いつまでもグズグズしているわけにもいかず私はいつも自転車で通る道を走り出した。
「これ、間に合う!?」
時間を見ると9時前。準備はもう既に始まってしまっているけど9時半からの入学式にはさすがに間に合いたい。
走りながら私はちょうど1年前の事を思い出していた。
1年前の今日。私は高校生活への色々な期待にドキドキして胸を膨らませていた。
「ふふふ、懐かしいなあ」
懐かしさにふけっていたのもつかの間。目の前の角を曲がろうとした瞬間
━━━ドンッ
「きゃあ!!、」
「うわっっ!!」
私は角を曲がった瞬間人とぶつかってしまった。
「いったたたあ、、、」
私はこけた拍子で尻餅をついてしまっていた。
「すんません!!大丈夫ですか???」
目の前に一つの手が差し出された。
「ごめんなさい!ありがとうござい、ま、、」
手を差し出してくれた人を見た瞬間
━━━━時が止まったかと思った。
その男の子がとても綺麗な目をしていたから。
「あの!怪我とかないですか??」
その男の子が心配そうに言った。
そんな言葉も無視に私はその男の子の目をぼーっと見つめていた。
そんな私を流石に変に思ったのか男の子が私の顔の目の前で手を振りながらもう1回
「大丈夫ですか??」
と言った。
やっと我に戻って
「だっ大丈夫です!!!!」
そう言って立ち上がろうとした時、ズキッと右の足首が傷んだ。
「もしかして、足痛めました?ほんまにすいません!!もう俺のせいや、、ちょっと待っててください!!」
そう言い残すと男の子はどこかへ行ってしまった、、かと思うと男の子はすぐ戻ってきて買ってきてくれた湿布で傷の手当をしてくれた。
「よしっ!これでマシになるといいんですけど、、。」
「わざわざごめんね、、」
「いや!ほんまに前ちゃんと見てなかった俺のせいなんで!!気にせんとってください!!!ていうかその制服、誠桜高校のですよね??」
「うん!!そうだよ!!っていうか、えっと、、」
よく見るとこの男の子も誠桜の制服を着ていた。校章を見ると青色。3年生が黄色、2年生が赤色、1年生が青色のはずだから新入生かな??
「あ!俺、穂高涼 (ほだかりょう)っていいます!!今年誠桜に入学する1年生です。えっと、、」
「私、2年の渡辺茜 (わたなべあかね)です。」
「てことは、先輩!!ほんまごめんなさい!!」
穂高くんは申し訳なさそうに頭を下げた。
「いやいや!!手当もしてもらったしもうほんとに大丈、、」
そう言いかけて思い出したのは
入学式。
「あああああ!!入学式!!!」
時間を見るとあと5分で10時になるところだった。
......もう始まってしまっている。
ここから急いで歩いても20分はかかる。入学式は確か10時まで。
「っていうか穂高くんは何でこんな時間にここにいたの??」
確か新入生の登校時間は9時だったはず。
「俺、ここに引っ越してきたばっかりで道全然わからんくて迷ってたところなんです!そこで渡辺先輩とぶつかってしまって、、」
あー、なるほど。この辺は迷いやすいからね、、、
「じゃあ案内するから、とにかく急ごう!!!」
そう言うや否や私達は学校までの道のりを急いだ。
「はあ、やっと着いた。」
たどり着いたのはいいけど時間はもうとっくに10時を過ぎていて入学式はとっくに終わってしまったようだった。
「あ!あそこに新しいクラス表張り出されてるみたい!見に行ってきたら??」