空の向こう

母も俺の言葉を聞いて、声が漏れた。

「くまのぬいぐるみも、あみを助けてくれてたのも…っ!本当に!本当に…ありがとう…」

泣いている母を、強く抱きしめた。
俺は愛されたかったと思っていた。
でも、違った。愛されてたんだ。

「お兄ちゃんなの?…お兄ちゃんがくれたくま・・・お兄ちゃんが助けてくれたの?」

「あみ・・・助けてくれたのはあみだよ。お前は俺の心を救ってくれたんだ。一人じゃないと思えた。…ありがとう・・・・」


最後に言葉をかけると消えてしまった。


「さよなら・・・」

「おにいーちゃん!!!!ありがとう!!」


あみの声が遠くに聞こえた。
本当にあみが生きててよかった・・・。
本当によかった。



*****************



気が付き、目を開けると、眩しい光が目に入る。


「お疲れさまです」

「天使・・・」


起き上がると、天使が目の前にいた。

「あなた様を天国へお連れします」

「・・・ああ」

天使に連れられると長い白い綺麗な道が現れた。
その道を見て立ち止まる。

「いくか!」

一歩踏み出した俺の足は、迷いも、戸惑いも何にもなかった。
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