永久の誓いからの逃亡
暫くして戻ると、駿くんはうたた寝をしていた。
いわゆる体操座りのように脚を抱え、膝に顔をうずめている。

…かわいい。

眠たいのに私が戻ってくるのを待とうとしてくれたんだ。
明日は二人とも休みだし、今日は早めに寝て、また明日たくさんお喋りしよう。

「駿くん。
ほら、お布団入って寝よ」

そう声をかけてみるけど、全く反応がない。

本気で眠ってるの?
この体勢できつくないの?

私が力持ちなら、ひょいっと抱えて横にしてあげられるんだけどな。
あいにく私に男性一人を抱える力は備わっていない。

んー、どうしよう。

もう一度耳元でささやいてみる。

「駿くーん」

でもやっぱり駄目。

あ…。

目が止まったのは、無防備になっている脇腹。

こちょこちょしたら怒るってことは、それだけ駿くんにとって敏感な部分な訳で。
ここを触ったら起きるんじゃない?

そんな悪い考えが浮かんだ。

そして、それが悪いとわかっていても、決行してしまうのが人の性。
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