永久の誓いからの逃亡
本当は、“悠ちゃん”とまた呼んでほしかった。
ちゃんと謝りたいのに、妙なプライドが邪魔をして謝れなかった。
そして未だに言えずにいる。

こういうふうに大切なことは何一つ伝えきれていない。
次に会ったときに言えばいいかと、先伸ばしにしてきたツケが回ってきた。

他の男と結婚するという、最悪の形で。

今年の夏に別れた時には思ってもみなかった。
次に会うのが、結婚相手を連れてくる日になるなんて。
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