永久の誓いからの逃亡
「悠斗くん、久しぶり。
あけましておめでとう」

そう笑う真綾は、相変わらず俺の心を締め付ける。
いつも通りなのに…。

「お、おぅ…」

「こちら、旦那さんの山道駿也さん。

私、結婚したんだ。
びっくりした?」

隣で“山道です”と名乗っているが、意識はそっちにいかない。

“びっくりした?”ってなんだよ。
俺の気持ちに気付いてないのは知ってるけど、そんな嬉しそうに言うなよ。

あー、そっか。
俺がよく、“真綾をもらってくれる男なんかいねーよ”なんて言ってたからか。

それはさ、“俺くらいしかお前をもらってやれねーよ”って言いたかったんだけどな。
その考えがそもそも間違えてるってことに、過去の俺は気づくべきだったんだな。
戻りたい。
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