永久の誓いからの逃亡
相変わらず、あいつのことは嫌いだ。
山道駿也。
あんな奴と仲良くなんてなれるはずがない。

悔しいし怒りも込み上げてくる。

でも、今言うべきことは…。

「真綾、結婚おめでとう。

ちゃんと言ってなかった」

「ありがとう」

すっげー幸せそうな顔。
そんな顔を向けられたら、泣きそうになるからやめて。

あー、これで俺の長い長い片想いは終了か。

全然煮え切らない。
けど、現実ってのは大抵こんなもんか。

誰にでも綺麗な恋の終わりが待ってる訳じゃない。
素直に好きな人の幸せを願えるなんてこともない。

もしも…。

もしも2人が別れるようなことがあったら…。

そうだよな。
完全な愛なんて存在しねーからな。

…って俺、だいぶこじらせてんな。
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