永久の誓いからの逃亡
8.気づかないふり
もう今では親しい人には結婚の報告も済ませ、日々幸せを感じていた。

それがいつからだろう。

薄く黒い感情に目を瞑らなきゃいけなくなったのは。


同棲を始めてから暫くした頃。

眠ろうとしていると、枕元に置かれた駿くんの携帯の画面が光って着信を知らせた。

目を向けると、下の名前が桃という女性の名前が表示されている。
よく見ると、駿くんの会社の名前も載っている。

夜中の12時。
こんな時間に仕事の電話なんてかけてくるのだろうか。

これは、見てはいけないものを見てしまったのかも。

ざわざわと嫌な感情がわいてくる。
< 132 / 183 >

この作品をシェア

pagetop