永久の誓いからの逃亡
浜辺。
過去のことを色々と思い出しながら、ぼーっと砂の粒を眺める。

風の音も波の音も遮断して、殻の中に閉じ籠る。

いつから、自分の気持ちに気づかないふりをしなきゃいけなくなったんだろう。

こんなふうに気になることがちょこちょこあった。

仕事帰りに、駿くんが女の人と2人で話す歩いてるのを目撃してしまったことがある。
帰ってから、探るように駿くんに聞いてみた。
でも、女性のことなんて微塵も会話のなかに出てこなかった。

単に会社の人と歩いてただけなのかもしれない。
でも、いちいち気にしてしまうんだ。

こういう嫌な気持ちが積み重なっていく。

最初は軽く抑えればいいだけだった。
それが、少しずつ少しずつ感情を抑え込む力が強くなってきて…。

いつの間にか、ちょっとも力を抜けなくなって…。

今日、ついに爆発したんだ。
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