永久の誓いからの逃亡
「とんでもないです。
こうして、水野さんに見てもらえて嬉しいですよ」

嬉しい?
そんなことをそんな綺麗な瞳を向けられて言われると胸が高鳴る。

私に見てもらえて嬉しいの?

奥さんの好みに合わせなくていいの?
私の意見を聞いてくれるの?

もしかして、山道さんもまんざらじゃなかったり…。

きゃー!
どうしましょう!

「水野さん、プロって感じがするから」

あ、…プロ、ね。
そういうことか。

一気に現実に戻される。
本気で喜んで馬鹿みたい。

「ありがとうございます。
自然と詳しくなっていくものなんですよ。
いつかこの知識を自分の為に活かしたいものです」

あ、やば。
仕事と関係ないこと言っちゃった。

「へー。
水野さんならすぐ結婚できそう。
仕事できるし、気が利くし」

「もったいないお言葉です」

冷静を装って笑顔で返事をする。

でも内心はドッキドキ。

男性から褒められたのなんて何年ぶりだろう。
もしかしたら人生初かもしんない。
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