永久の誓いからの逃亡
後日、また2人でいらした。

なんだか、私が邪魔者のように感じる。
この間は山道さんと楽しく話せていたのに、今日は全く話せない。
山道さんだって奥さんの方ばっかり見てるし。

失恋した気分。

「で、ここはどうなってるんですか?」

不意に山道さんから飛んできた質問に、私はつまってしまった。

「え、えーっと、それはですね」

言葉に詰まりながらも、どうにか答える。

まずい。
かなりトリップしてた。

しっかりしないと。
山道さんに、できない人だなんて思われたくない。
奥さんからだって、信頼を得ておきたい。

「水野さん、大丈夫ですか?」

「すいません。
色々考えてたらちょっと意識が逸れてしまって」

山道さんは少し心配そうに私を見てる。

あ、今は私に注目が向いてる。

隣に奥さんがいるのに。
どうよ。

無意識のうちに、ちらっと奥さんの方に目をやると、ばっちり視線がぶつかった。
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