永久の誓いからの逃亡
「真綾は、俺と結婚したくなくなったのかな…」

普段は明るくて、自信に溢れている山道さんが、こんなに弱気になるなんて。

ここは、私がしっかりしなきゃ。

「きっと、何か理由があるんですよ。
マリッジブルーでこういうことが起きるときだってあります。

ここで待ちましょう」

山道さんの意外な一面を見た。
こんなときに不謹慎だけど、きゅんとしてしまう。

それに、ウェディングプランナーとしての自分と女としての自分が囁く。

一刻も速く新婦を見つけなきゃ。

でも、このまま見つからなければ、私が山道さんを支えられるかも。

「おい、真綾がいなくなったって本当かよ!」

沈んだ空間に突如入ってきた男性。
たしか、新婦の幼馴染み。

「ちょっと、悠斗くん!」

次いで新婦の妹。

そのあともぞろぞろと両家の親族が入ってくる。
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