永久の誓いからの逃亡
現場は大混乱。
新婦の親は動揺し、新郎の母親は声を荒げている。

その中で、山道さんはずっと顔をあげることができずにいる。

そんな山道さんに向かって、幼馴染みが何か言っている。

「結婚相手って、大したことないな。
真綾とちゃんと話せてなかったんだろ。

俺なら、あいつの悩み聞いてやれる」

そう言うと、彼は控室を出て行った。
まさか、探しに行ったのだろうか?

勝手なことを!

彼は、真綾さんにに対して好意でも抱いてるの?

だとしたら、とても滑稽ね。
報われない恋もいいとこ。
つらいだけなのに。

って、毒を吐きながら私自身も毒されてる。
同族嫌悪ってやつ?

上等よ。

そのイライラが、私の背中を押した。

「山道さん。
私がついてますから」

うなだれる山道さんの前にしゃがみ、手を握った。

私の中で、悪魔が勝った瞬間だった。
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