永久の誓いからの逃亡
「まじか!
結婚式を抜け出して来たのか!

あんた、見かけによらず大胆なことするのな」

「こうするしか方法が見つからなかったんです」

「まぁ、誰にも相談できねーよな。
結婚は幸せなもんだって皆思ってるし。

下手したら、そんな相談、のろけ話だって思われるだろうな。」

「そうなんですよ…。
もう、どうしていいかわからなくて」

何も言わずに抜け出してきて、本当に情けない。
今さら後悔しても遅いのに、あのまま式を迎えてたら、良い方向に向かってのかもしれないと思ってしまう。

肝心な時に逃げてしまうんだ。
それで解決した気になるなんて、全く周りが見えてないよね、私。

やっぱり、逃げるべきじゃなかった…。

「いっぱいいっぱいだったんだろ?

式場に留まってても、あんたはいつか爆発してたって。
こうして距離をとったのは、良い選択だったと俺は思うけど。

そんで、こうやって関係無い奴と話して、気持ちの整理をつければいい。

自分の気持ちに気づけたんだからよかったじゃん!」

「…。

そう、ですか…?」

逃げ出したのが良かったの?
私は私を責める必要はないの?

なんだかわからないけど、凄く視界がクリアになった気がする。

心も軽くなる。
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