永久の誓いからの逃亡
「別に喜こんでねーよ。

俺だってちゃんと祝ってやろうって決めてた」

そうやって、けじめをつけようってしてたのに。
いつまでも真綾に振り回されてばっかだな、俺の人生。

「…ならいいんだけど。

どこ行っちゃったのかなー」

「さーな。
式が終わってから戻ってくるつもりなんじゃねーの?」

「は、なんで?」

「今いないってのはそういうことだろ。
あの男とは挙式したくないってことだ」

「そんなの、ありえないよ…」

ありえないかどうかは、きっと真綾にしかわからない。
外側から見てる人間にはわからないことってたくさんあるんだ。

だから俺は、少しでも真綾に近づこうと一生懸命だったんだ。

「探してくる」

今だって、結局真綾のことが諦められずにいる。
困ったもんだ。
< 164 / 183 >

この作品をシェア

pagetop