永久の誓いからの逃亡
駿くんには何の不満もない。
ただ何故か…。

何故か、ウェディングドレスを着ようという気にならない。

私たち、結婚を急ぎすぎた?
結婚したいっていう気持ちに、結婚しても大丈夫だっていう自信が追い付いてなかったのかも。

無意識に、ふらりと外に出る。

「あ…」

駿くんの控室の前には、悠斗くんの話通り女性が3人いた。

一斉にこちらを見る。

「あ、あれ?
山道さんの奥さん?

あ、どーも…」

えへへ、と笑いながら、3人はどこかへと消えていった。

「お姉ちゃーん?
どうしたの?」

また部屋に入ろうと戻ってきた明日香の声がした。

「…うん。
ちょっと、ドレス着る前に風に当たってこようと思って」

「そっか。
行ってらっしゃい。
早く帰って来てねー」

咄嗟についた嘘だった。
風に当たりたいなんて思ってないのに。
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