永久の誓いからの逃亡
ほら。
こうやって、また目が離せなくなる。

そして、おいでと両手を広げている。

「…っ」

もう、勝手に涙が溢れてくる。
今すぐに駆け寄りたい。
けど、一歩踏み出しただけで動けなくなった。

そんな優しさ、あり得ないよ。

心が満たされて締め付けられる。

ついに目の前まで来た駿くん。
その両腕に包み込まれた。

言葉にならない思いが、とめどなく溢れてくる。

「ごめっ…、なさ、い」

喉を絞って、必死に謝る。
これで関係が終わってしまったら、私は今日の私を一生許せない。
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